こんにちは
(一社)ハートマッスルトレーニングジム代表
桑原朱美です。
今日のテーマは
「シリーズ主体性を育てる③ 先生・保護者のための「主体性」の見抜き方 」です。
「発表で手を挙げる」「言われなくても掃除をする」
…こうした行動は、先生や保護者にとって子どもの成長を実感しやすいものです。
しかし、それは積極性や自主性の表れであって、
本当に主体性が育っているかはわかりません。
では、どうすれば子どもの行動の裏にある
「考える力」や「目的を持つ力」といった、
主体性の本質を見抜けるのでしょうか?
鍵になるのは、表面的な行動だけではなく、
その行動の 「なぜ?」と「どうやって?」 に目を向けることです。
■主体性を見抜く3つの視点
①行動の「動機」を問う
子どもが何か行動を起こした時、その理由や目的を尋ねてみましょう。
「どうしてそうしたいと思ったの?」と聞いた時、
「先生に褒められたいから」ではなく「もっとクラスを良くしたいから」という答えが返ってきたら、それは主体性の表れです。
※理論の背景
人は外発的な動機づけ(褒められたい・叱られたくない)よりも、内発的な動機づけ(価値や興味からの行動)のときに深い学びと成長を遂げる(デシ&ライアンの「自己決定理論」)
②困難に直面した時の「対応」を観察する
主体性は、うまくいかない時にこそ真価が問われます。
失敗した時にすぐに諦めたり他人のせいにしたりするのではなく、
「なぜうまくいかなかったんだろう?」と原因を分析し、次の行動に活かそうとする姿勢を評価しましょう。
※理論の背景
失敗を「能力の限界」ではなく「学びの機会」と捉える子どもほど、挑戦を続け、結果的に高い達成を示す(キャロル・ドゥエックの「成長マインドセット」の研究)
③自分の考えを「言葉」にできるかを聞く
主体的に考える力は、言語化する力と密接に関わっています。
「〜するために、〜と考え、〜しました」と、自分の思考プロセスを言葉にできるかどうか。
その論理的な整理の力も、主体性の重要な要素です。
※理論の背景
メタ認知(自分の思考を振り返り、言語化する力)が高い子どもほど、学習の成果を自己調整できることが示されてる(教育心理学)
自分の考えを言葉にできることは、主体性の可視化でもあると言える
■主体性の本質を評価するために
これらの視点を持つことで、子どもの行動の奥にある
「考える力」
「目的を持つ力」
「責任を持つ力」を見抜くことができます。
そして、その力をさらに引き出すための適切な声かけや
環境づくりへとつながっていくのです。
子どもたちは「正しい行動」を見せるだけでなく、
自ら考え、工夫し、選び取っていく力を秘めています。
その芽を見抜き、育てることこそが、
先生や保護者にできる最も大きなサポートではないでしょうか。
それでは、今日も素敵な1日を!
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