(一社)ハートマッスルトレーニングジム代表
桑原朱美です。
子どもたちの“やる気”をどう見抜くかは、
教育や子育てにとって大切なポイント。
でも「言われなくても宿題をする」「発表で手を挙げる」――
そんな行動は、本当に主体性が育っている証拠でしょうか?
実は“主体性”と“積極性”“自主性”は、よく混同されがち。
似ているようで、実はまったく別の意味があります。
この違いを知ることで、子どもたちの心の奥を理解し、成長を後押しできるようになります。
■3つのちがいをやさしく整理
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◎積極性
決められた枠組みの中で、進んで関わろうとする態度や意欲です。
先生が「この役割をやりたい人?」と聞いたとき、まっ先に「はい!」と手を挙げるのが典型例。
行動は速くて前向きですが、その背景に深い目的があるとは限りません。
◎自主性
決められたルールなどにおいて、他人に言われる前に、自分から取り組むこと。
「宿題をやりなさい」と言われる前に机に向かう、といった行動です。
ただし、その理由が「叱られたくない」「早く遊びたい」といった短期的な動機にとどまる場合も多いのです。
◎主体性
「なぜそれをやるのか」を自分なりに理解し、企画やルールの段階から考えて動く力です。
つまり“やらされている”のではなく、“自分で選んでいる・自分で作っている”感覚。
例えば、教室が散らかっているのを見て「どうすれば気持ちよく過ごせるかな?」と考え、掃除の仕組みを提案したり、やり方を工夫する行動がこれにあたります。
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この違いから分かるように、主体的な人は「与えられた枠組み」の中で動くだけでなく、その枠組みの外に出て、自ら目的を定め、課題を設定し、解決策を創造することができます。これは「他人軸」ではなく「自分軸」で生きる力そのものです。
■積極的・自主的だけど主体的ではない子ども
・積極的だけど主体的ではない子
→ 何でも手を挙げますが、誰かのアイデアをなぞるだけで、自分の発想を形にするのは苦手。
・自主的だけど主体的ではない子
→ 言われたことは完璧にこなしますが、「なぜ学ぶのか」という問いを持たず、応用力に欠けることがあります。
■「ルールメイキング」が主体性を育む
主体性は「目的や本質」に、自主性は「行動の独立性」に、
積極性は「行動の意欲」にフォーカスしています。
子どもたちが「なぜこのルールがあるのだろう?」「もっと良い方法はないか?」と疑問を持ち、
それを改善しようと考えるとき、彼らは受け身の存在から、能動的な創り手へと変わります。
これは、単に与えられた課題をこなす自主性や積極性を超え、
自分の人生や周囲の環境を自分でデザインしていく力につながります。
この考え方を基に、子どもたちと
「どうすればもっと楽しいクラスになるかな?」
「この学習をどう工夫したら、もっと面白くなるかな?」
といった対話を重ねていくと、彼らの主体性は大きく育っていくでしょう。
それでは、今日も素敵な1日を!
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■「ルールメイキング」が主体性を育む
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